結婚式・披露宴会場におけるモデル約款

「消費者契約法の施行に係る結婚式場・披露宴会場約款の見直しに関する調査研究」報告までの流れ

(1)平成6年度に当協会が実施した「ブライダル産業実態調査」{平成7年2月~6月発表}により、約款の保有状況は、中部・東海地域83.8%、関西地域81.8%、関東地域72.7%、その他の地域51.2%であった。
標準約款の必要性について、有効回答数298件のうち80.2%が必要であるとしていた。

(2)平成7年度「ブライダル産業における共通約款のあり方」の調査研究{平成8年2月発表}:
  ○本調査は:座長に横浜国立大学助教授 志田基与師、
弁護士 円山雅也、
弁護士 佐藤欣子、
調査委託機関 (財)日本総合研究所等の専門家を招聘して実施した。
 
(3)平成8年度調査研究事業(ブライダル産業活路開拓ビジョン調査)として
「結婚式・披露宴会場の共通約款策定に向けて」の調査研究を実施した{平成9年2月発表}
 委員:上智大学法学部教授 山本 豊
    弁護士 佐藤 欣子
    弁護士 曾我部 東子
    主婦連合会 事務局長 吉岡 初子
    その他業界代表者
    調査機関 財団法人 日本総合研究所

○ 調査票発送数2,000、回収数389、有効回答数381、有効回答率19.1%
○ 調査目的:ブライダル商品は、お客様からの申込みがあった時点から挙式・披露宴実施日まで会場を確保し、様々な準備を行うものの、そのため、解約或いは延期などに伴うトラブルが発生しやすく、現在、その数は多くないものの、解約を中心とするトラブルが見られる。今後ブライダル産業が発展していくためには、こういったトラブルを未然に防ぎ、業界の信頼を高めることが重要であり、全国に共通する約款の整備が求められている。
   そこで本調査研究は、ブライダルに関したトラブルの実態を把握し、共通約款に盛り込むべき規定や条項等に対する企業のニーズを整理検討することにより、消費者及び事業者双方のトラブルを解消し相互の信頼関係を築くため、ブライダル産業に共通するモデル約款の策定に向けたビジョンの作成を目的として実施した。

○ 調査内容:
 1)ブライダル業界における挙式・披露宴関連のトラブルクレームの実態調査
 2)共通約款に盛り込むべき規定や条項に対する企業ニーズ調査
 3)共通約款策定に向けたビジョンの作成

  ● 平成8年度の調査、有効回答数375件のうち65.6%が挙式披露宴に関する規約を保有しているが、3分の1に当たる34.4%の事業所では規約がなかった。
    北海道・東北・北陸地域では規約の保有率が44.8%とやや低くなっている。
  ● 従業者規模別では、300人以上では95%、50人未満では47.3%が保有している。

(4)平成9年度調査研究事業「結婚式・披露宴会場共通約款策定事業」{平成10年2月発表}:
 ○ 事業目的:昨年度実施した調査事業により得られた、共通約款に必要な項目・内容等の結果をもとに、以下の内容で共通約款の策定を行った。
  1)共通約款項目の条文化
  2)運用細則の策定
 ○ 実施方法
  1)ワーキング・グループの設置(条文化作業・修正など)
  2)検討委員会の設置(共通約款の検討・策定)
     座長 明治大学法学部教授 鈴木俊光
     弁護士 佐藤 欣子
     弁護士 曾我部 東子
     主婦連合会 専門委員 和田 直江
     他業界代表
  3)地域検討会の開催(条文化案の検討)
     関西地域 平成9年11月10日   会場:ホテル阪神
     中部地域 平成9年11月10日   会場:(株)クレールコーポレーション
     東北地域 平成9年12月3日   会場:盛岡グランドホテル
     北海道地域 平成9年12月3日  会場:札幌東急ホテル
     九州地域 平成9年12月8日   会場:ソラリア西鉄ホテル
     中国四国地域 平成9年12月9日 会場:ホテルグランヴィア広島
     関東地域 平成9年12月15日  会場:社団法人日本ブライダル事業振興協会会議室
  4)行政機関や消費者団体への事前説明・相談及び提示
共通約款の条文及び運用細則の試案は、事前に通商産業省、公正取引委員会及び主婦連合会への事前説明・相談を行うとともに、確定した約款条文及び運用細則を提示し、理解を図った。

 (5)「消費者契約法の施行に係る結婚式場・披露宴会場約款の見直しに関する調査研究」
平成19年度の調査研究事業として実施平成20年2月に会員を対象として発表した。
座長:一ツ橋大学大学院法学研究科の松本 恒雄 教授
消費者機構日本 佐々木 幸孝 弁護士
明治学院大学 角田 眞理子 准教授
青田・増岡法律事務所 増岡 由弘 弁護士
経済産業省商務情報政策局サービス産業課 林 慎一郎 係長
学習院女子大学 這禽 恵子 非常勤講師
以上4名の法律家等を専門委員として「消費者契約法の施行に係る結婚式場・披露宴会場約款の見直しに関する調査研究」を実施した。
調査報告書は、全会員に事前配布し、平成19年2月に松本教授を講師として東京と大阪で報告会を実施した。

本事業の位置付け:
本事業は、消費者契約法そのものの理解を深めること、それに準じた約款のあり方を研究し、消費者契約法に準じた企業約款の見直しの参考として、190事業者を対象に収集したアンケート結果をベースに専門委員会によって約款のモデルを作成したものである。
尚、本モデル約款は、あくまでモデルであり、事業者が約款を作成する際の参考として、平成20年2月に公正取引委員会事務総局経済取引局取引部相談指導室の審査を経て発表に至ったものである。

よって、特に解約に係る条項(本報告では第7条)においては、具体的な日時や、解約料金(料率)等、各事業所で算定した平均的損害額を根拠に算出することを明記している。

結婚式・披露宴会場におけるモデル約款

本約款は、結婚式・披露宴を行う予定であるお客様と当館との相互の信頼を高め、結婚式・披露宴を円滑に執り行うことを目的として作成されたものです。
なお、この約款の解釈・運用につきましては、お客様及び当館双方の利益を考慮させていただきます。

第1条[契約の成立]
申込者の申込書への署名及び所定の申込金の支払いをもって契約は成立いたします。
なお、申込金は挙式・披露宴の代金または解約料金の一部として取り扱います。

第2条[挙式・披露宴時間の設定と時間変更]
会場の使用時間は、あらかじめお客様と取り決めさせていただきました時間内といたします。
お客様のご都合により、あらかじめ取り決めました披露宴時間を超過した場合には、所定の超過料金を頂戴いたします。ただし、次の会場使用時間との関連で、使用時間の超過に応じられない場合もございます。

第3条[人数確定後の変更]
会場が指定した日時に最終人数を確定させていただきます。
最終人数を確定した後に、披露宴に出席されるお客様の人数が減少した場合であっても、すでに発注、その他手配が完了しているものに関しては、確定した人数分の料金を頂戴いたします。
また、すでに発注、その他手配が完了している別注品については、その料金を頂戴いたします。

第4条[お客様による衣装・引出物等の手配]
お客様のご都合により、衣装・引出物等を用意される場合には、別に定める細則により取り決めさせていただきます。

第5条[お客様による装飾・余興等の手配]
お客様のご都合により、装飾・余興等を業者に直接手配される場合には、挙式・披露宴を円滑に行うため、事前に会場との調整をお願いいたします。

第6条[費用の支払期日]
挙式・披露宴のお見積金額は、会場が定める期日までに当館指定銀行口座にお振込みください。
なお、当日、飲食等の変動があった場合には、挙式・披露宴終了後に精算させていただきます。

第7条[お客様による解約]
お客様が既に契約された挙式・披露宴を解約される場合には、解約料金を頂戴いたします。
その額は以下の通りです。申込金は解約料金に充当します。
ここでのお見積額とは解約時点でのお見積額です。


(解約期日)                  (解 約 料 金)
①前日を含む365日以前   申込金の25%または3万円のいずれか低い額まで
②364日目以降180日目まで 申込金の50%まで及び印刷物等の実費
③179日目以降150日目まで 申込金の全額及び印刷物等の実費
④149日目以降120日目まで お見積額(サービス料を除く)の20%まで及び印刷物等の実費
⑤119日目以降90日目まで お見積額(サービス料を除く)の20%まで及び印刷物等の実費
⑥89日目以降60日目まで お見積額(サービス料を除く)の30%まで及び印刷物等の実費
⑦59日目以降30日目まで お見積額(サービス料を除く)の40%まで及び印刷物等の実費
⑧29日目以降10日目まで お見積額(サービス料を除く)の45%まで及び印刷物等の実費 並びにその他外注品等の解約料の額
⑨9日目以降前日まで お見積額(サービス料を除く)の45%まで及び納品済み物品等の 実費並びにその他の外注品等の解約料の額
⑩当日           お見積額(サービス料を除く)の全額
⑪ご日程の延期につきましては、解約の場合に準じたお取り扱いとさせていただきます。
  ただし、ご日程の確定している延期の場合には、別に定める細則により取り決めさせていただきます。
⑫すでに発注、その他手配が完了している別注品については、その料金を頂戴いたします。

第8条[お客様に対する解約]
以下の場合には、挙式・披露宴をご解約させていただきます。
 ①お客様が指定暴力団・暴力団員・暴力団関係団体または関係者であることが判明した場合、 その他法令及び公序良俗違反のおそれがある場合
 ②他のお客様に迷惑のかかるおそれがある場合
 ③天災その他、会場側の責任に帰することのできない事由により会場の使用ができない場合
なお、上記の場合のご解約につきましては、ご解約にともなう損害賠償等、金銭のお支払いはいたしかねますのでご了承ください。ただし、申込金はお返しいたします。

第9条[施設内における事故・盗難]
施設内において、お客様側の管理下で発生した事故・盗難につきましては、当館の故意または重大な過失がある場合を除き、当館は一切責任を負いませんので十分にご注意ください。

第10条[禁止事項]
法令で禁じられている行為、公序良俗に反する行為及び他のお客様に迷惑のかかる行為は禁止します。
(禁止事項の例示)
 ①大音響を発するものの持ち込み
 ②盲導犬、介助犬、聴導犬以外のペットの持ち込み
 ③引火・発火のおそれのあるものの持ち込み
 ④悪臭を発するものの持ち込み
 ⑤危険な行為
 ⑥備品等の移動、損傷・汚損
 ⑦その他結婚式、披露宴に関する使用目的以外の利用

第11条[個人情報の取り扱い]
ご予約いただいたお客様の個人情報は、当館において厳重かつ適正に管理いたします。 また、以下の目的以外には利用いたしません。 
①婚礼に関するお客様への各種ご連絡及び新商品プラン、イベント等に関する情報のお知らせ、アンケート等
②挙式・披露宴の運営に必要な範囲での衣装、美容着付、写真、招待状、引出物等当館と機密保持契約を締結している指定業者への連絡
③警察、税務署、裁判所等の公的機関からの法令に基づく権限の行使による開示請求書

第12条[その他]
 ①施設及び景観の保全・維持管理等に伴い、建物・植栽・室内の装飾品・器具・備品類の変更や修繕を行う場合があります。
 ②披露宴等にご出席のお客様が、当館の駐車場をご利用される場合には、当館が定める時間までは無料です。ご使用に際しては駐車場内に駐車場利用規則を掲示してありますので、必ずお守りください。
 ③その他約款に定めのない事項につきましては、法令または一般に確立された慣習に従っていただくものとさせていただきます。


社団法人日本ブライダル事業振興協会
会  長  塩 月 弥 栄 子

平成20年2月22日